近年、特定の疾病や医薬品に対応する専門外来が医療機関内に設置されていることが多くなっています。
婦人科においてもさまざまな外来が存在しますが、その中でも比較的多く設置されているのが経口避妊薬およびこれを使って治療できる疾病を扱う「ピル外来」です。
ピル外来を利用する最大のメリット
ピル外来を利用する最大のメリットは、なんといっても専門外来であるがゆえの体制の充実ぶりにあります。
ピル自体は一般外来を利用しても医師から処方されることがあるものですが、この外来では国内で製造と販売が承認されているピルを原則として全種類取り扱っており、患者はこの外来を利用することで医師や薬剤師などの医療スタッフからの指導を受けながら、自分自身の考え方や体調などに合うピルを入手し、飲み続けることができます。
また、服用中に何らかのトラブルや疑問に思うことが生じた場合も、的確なアドバイスを受けることが可能です。
ピルは避妊のために服用する薬であることは広く一般に知られていますが、生理不順や生理痛の改善、月経前症候群(PMS)の治療など避妊以外の用途もあります。
医療機関によっては、避妊以外の目的で患者に処方するケースの方が多いところもあるほどです。
もし、避妊をする必要が生じたとき、自宅の近くにピル外来が設置されている婦人科があるなら、そちらへ通院すると良いでしょう。
薬代や診察料などは全額自己負担
ピル外来の利用にあたって注意が必要なのは、専門外来を利用するからといって健康保険が適用されるわけではないということです。
ピルは、子宮内膜炎や月経困難症などといった疾病の治療が目的であれば、健康保険制度の趣旨に合致することから適用できる可能性がありますが、避妊や生理周期の調節が目的だと、病気の治療ではないため適用外となり、薬代や診察料などは全額自己負担となります。
初診の場合は薬代とあわせるとそれなりに出費が多くなるので、注意しましょう。
なお、所得計算における医療費控除の考え方も健康保険の場合とほぼ一緒であり、疾病の治療が目的に含まれていなければ、医療機関に支払った費用を控除額に算入することができません。
例年の年末調整で、医療費などの申告をきちんとやっている人は注意が必要です。
まとめ
また、抱えている疾病によっては、ピル外来ではなく一般外来へ行った方が良い場合があります。
この専門外来がある医療機関へは、自身が抱えている症状や悩みを可能な限り正確に把握し、ピル外来の趣旨に合うかどうかをよく見極めた上で訪れるかどうかを決めましょう。
最終更新日 2025年2月19日 by sngroup